- 実現しても、漂うコレジャナイ感
WILLCOM COREはウィルコムが提供する次世代通信サービスの総称で、PHS、第三世代携帯電話、無線LAN、そしてXGP(eXtend Global Platform )がシームレス結合された通信サービスである。*1
それを実現した端末が、これだ(CV:篠原まさのり)
WX10K(DIGNO DUAL2)は面的なエリアを稼げるプラチナバンド対応3G対応、トラフィック過剰地帯をクラウド基地局のAXGPで捌き、自宅や公共施設では無線LAN、低廉で高音質なPHS音声通話も可能。つまりWILLCOM COREってこういうことだよね。何か間違っていたか。
そう、去年も書いたとおり足りないものはロマンチシズムなんだよ。サムライ規格が世界を制する。渇望するはKDDI傘下にて冷遇されていたDDIポケットがあらたなる翼で生まれ変わり、純国産規格が世界を駆け巡る、そんなロマンチシズムこそが我らが求めていた夢。結果が似たようなものでもKDDIより悪辣なソフトバンクとかいう汚い大人の後ろ暗い金儲けのネタにされるなんてそれでは心が収まらないのだ。
2.5Ghz、1.5Ghzで高速通信、800Mhzで面的エリア、1.9Ghzで音声トラフィックを捌く、WX04Kの思想、「ソフトバンク・グループにおける保有周波数帯の有効活用」を更に深めたのがWX10Kであり、資産を効率よく商売に利用するという観点では隙がなくなったものの、どこか漂う違和感はなんだろうか。
トマス・モアのユートピアみたいなもんかね。徹底的に効率を重視したものは非人間的であるという。WX10Kとは営利主義が行き着くとこまで行き着いたデストピア的端末なのかもしれない。
いや、こういうことをかくとWX10Kが残念な出来であるように誤解されるかもしれないけれど、端末そのものは悪くない。ただXGPがその名の通り世界を駆けるというロマンチシズムに一瞬でも夢を見てしまうと、現実的に落ち着いた様には一抹の寂しさを覚えるってだけさ。