Cyber Tera

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今となっては,YOZANの値打ちはゼロだ

  • YOZAN、無職になる

時は2000年代初頭、ポケットベルページャー)の東京ウェブリンク、PHS東京電話アステルを買収し一躍世間の注目を集めた企業、YOZAN。華々しく通信の表舞台に上がったが、ページャーPHS・公衆無線LANの三位一体による低コストな次世代通信「マジックメールユニット」構想や固定網WiMAXによる高速通信等、ぶち上げた構想のことごとくがまともな事業として成立せず、事業収入も得られず資金流出が続き市場からの資金調達に行き詰まった結果、上場廃止となり表舞台からひっそりと姿を消した。
そんなYOZANだが、280Mhzページャー波を押さえているからなのか、100億円を超える債務超過がありながら未だ倒産せずしぶとく生き残っている。上場廃止の際にもはやYOZANの名前では誰も相手にされないということでページャー事業を分社化し(二代目)東京テレメッセージを設立。YOZAN事業会社に東京テレメッセージと以前より傘下に収めていた沖縄テレメッセージを持つ持株会社制に移行した。
実際にYOZAN社のWEBサイトにはYOZANは通信会社を統括する会社との記載があった。ところが最近YOZAN社のWEBサイトにある事業概要の欄が空欄となっているのだ。

http://www.yozan.co.jp/business/index.html

ちなみに今年8月のWebArchive

http://web.archive.org/web/20130802044339/http://yozan.co.jp/business/index.html

(株)YOZANは、「事業持株会社」として、
マジックメール事業」「地域情報配信システム事業」等の280MHz帯域を使用した無線呼出し事業を核とした東京テレメッセージ(株)
FAXデータをパソコンのメールで受信するサービスの提供「D-FAX事業」を展開する東京テレメッセージサービス(株)
WiMAX事業における技術提供を中心とした(株)WiMAXソリューションズ
沖縄地域にてWiMAX営業活動およびADSLサービスを中心としたブロードバンドサービス(テレメBB)を展開する(株)沖縄テレメッセージ
上記4社の株式を保有することにより、当該子会社の経営活動を支配・統轄管理しております。

という文書がある。

おそらくYOZANは実態事業であるページャーを分社化した時点で事業の適当な引き取り手を探し、見つかったらYOZAN本体は精算にもっていく算段だったのでは。この「適当な引き取り手」に関連するのがおそらくこれ

屋内まで届きやすい280MHz帯を用いた新型防災ラジオの取り扱いを開始

NTTアドバンステクノロジが東京テレメッセージのページャ波280Mhz帯を利用したラジオを販売するという発表。おそらくこの時点でどこかしらのスポンサーがついていて、YOZANから晴れて卒業といったところだろうか。そうなると[id:mortal:20130830]でYOZANの本社と東京テレメッセージの本社が違うと指摘したのも合点がいく。東京テレメッセージを残しYOZANは解体という流れだったのか。