Cyber Tera

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秋葉原メッセサンオー店長金の魂 〜略して金タマ』(ソフトバンククリエイティブ刊)を読んだ

ちなみに買ったのはメッセサンオーじゃなくてラオックスアソビットシティだったりする。競合他社の店長の書いた本をあえて置く心意気に惹かれた。てかラオックスはプライドの何もかも売れる物はすべて売るそうだから。同店のらき☆すたのPOPにはそう書いてあった。

肝心の内容だが、これがなかなか同業者としてはやや綺麗事に偏っているような気もするが、共感できる部分は大きいね。すべて取り上げるときりがないので、特に気になった点を挙げてみる。

  • ヨドバシAkibaの開店に際して、「店舗って商品棚などは何年も先を見越して細かく設計するから、僕らショップ関係者にとって特徴のあるお店は商品以外のみどころもたくさんあるんだよ」。筆者の場合逆に古いPOPが何時までも貼ってあったりすると、こういうのさっさと剥がせとか思ったりすることもある。
  • メッセサンオーはそのソフトの旬を過ぎても無くなるまで特典は付ける主義なんです」筆者が以前働いていた店では手間を省くため特典は基本的に付けず、お客さんに言われたら仕方なく付けるという感じで、余った特典はすべて処分していた。そんな事をしているから売れないんだという訳で、筆者が手を出すようになってからは基本的にすべて付ける方向に改めさせたが。
  • 「世界が右っていったって、「自分が左だ!」と思ったら行けばいいんだよ。結果、お客様が喜んでくれるんだもの。「ありますか?」と聞かれて「あります!」と言えるうれしさは格別だね」そうそう、これこそ品揃えを決める面白さで醍醐味なんだよ。世間の様子をすりあわせつついかにに自分のカラーを出していくかどうか、仕事がつまらないとか言っている人はあまりそう言うのを考えていないんじゃないかな。

業界に対して結構痛烈なこともいっているが(141ページからの激安ネットショップ批判とか)持って行き方が上手いからかあまり嫌味には聞こえなかった。ネットショップに対してうちはプロショップとしてこうやっていくよという建設的な意見も書かれているからだ。それに一番の禁じ手であるお客さんに対する非難は殆ど無いのもあるからだろう。この辺りが同じくゲーマー視点を騙るゲームショップ1983とは違う点だ。あそこは他の店のやり方を詐欺のように書くなどヒステリックな面が目立つ。確かに大量にダミーパッケージが並んでいて商品がありそうでも実際は殆どが品切れでしたというのは鬱鬱陶しく感じる部分もあるが、それを詐欺であるかのように書くのはどうかと思う。ゲオのことを言っているのだと思うが、ああいう大手のチェーン店ならあらかじめPOSに価格が登録されているため、(中古の場合価格が上下することがあるが)無くても店員にいえば価格を教えてくれるだろうし、省力化のためにあらかじめ価格を提示しておくというのも考えられる。それに対してうちはそう言うのは嫌いなのでやりません程度に留めておけばいい物を断固反対だだましのテクニックだ等ときつい表現を使うのはどうかと思った。

話が横道にそれた。ゲームに限らず流通関係の仕事をしている人ならば必読である。