Cyber Tera

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2000年代の初頭、それまでデジタルカメラ用の記憶媒体として使用されていたスマートメディアコンパクトフラッシュに代わる次世代メモリーカード規格争いが勃発した。先陣を切ったのはソニーグループが提唱したメモリースティックだ。これは旧来の規格と比較して圧倒的に小型で、内部に制御チップを組み込みスマートメディアが頻繁に起こしていた互換性問題も解決し、音楽や動画のコーデックも規格化することで高い互換性を実現した画期的な製品であった。しかし、ソニーグループに次世代メモリーカードの規格を握られる事を懸念した松下電器(現パナソニック)とスマートメディアの盟主だった東芝が結託し、シーメンスメモリースティックとほぼ同時期に策定したマルチメディアカードに独自の拡張を施した新規格、SDメモリーカードを策定した。さらにデジタル時代においてもメディア販売による収益を確保しようと目論んだ富士フィルムオリンパスを巻き込み、スマートメディアをほぼそのまま縮小したXDピクチャーカードなる規格を立ち上げ、三つ巴の争いへと向かう事となった。

決着はご存知の通り、富士フィルムがまず2007年にSDと両対応という形で事実上の敗北宣言を行い、続くソニーも2009年にSDとMSに両対応した一眼レフデジタルカメラを投入、オリンパスもEP-1でいきなりXDを外しSDに一本化。これによって戦いには終止符が打たれ、ソニーは2012年現在に至ってもMSへの対応を行っているが、SDに関しては32GB超の新規格SDXCにも対応しているのに対し、MSは現行規格メモリースティックProDuoは32GBまでの対応で、exFATに対応させ32GB超の容量を実現するはずのメモリースティックXCは規格上存在しても、未だに製品としては発売されていないため、将来的にはMSも消滅するものと思われる。

そうなってくると、MSの在庫処理をどうするかということになる訳で、今や唯一となるMSのみ対応の主力製品PSPに抱き合わせで売るしかないので、こんな中途半端な容量のMSがPSPの本体についてくる事になってしまった。