- 語りたくなるアニメ
劇場版魔法少女まどか☆マギカ観てきた。さすが2011年の話題をかっさらったアニメだけあって、圧巻。独特の映像演出には終止圧倒されっぱなし。
このアニメは観る人によって様々な受け止め方があり、それを語らずにはいられないという魔性を秘めていて、それがメガヒットにつながった一因でもあるわけだが、自分は暁美ほむらについて語ってみたい。
暁美ほむらと鹿目まどかから見て取れる教訓は、優しくされる事に慣れていない人間に安易に優しくするのは危険。それ相応の覚悟もないのに優しくするくらいならば、冷たく突き放すほうがよっぽど優しさのある行為である。
まどかはおそらく誰に対しても優しい人間で、ほむらに優しく接したのもまどかにとって別にそれ自体に深い意味はなく、ごくごく当たり前の行為なのだ。しかし、善意あふれる世界に生きる者にとっては普通の事でも、悪意あふれる世界を生きる者にとってのそれは極めて特殊な事例であり、その事が相手に特別な感情を抱かされるに足る事象でもあるのだ。
やがて普通の事をしているつもりの人間と、特別な感情を抱いてしまった人間との間には認識の錯誤が生じ、最終的には切り捨てられ、切り捨てられた側は更なる心の傷と呪詛を抱き、更なる人間不信へとつながる訳だ。
まどかは特別な感情を抱いたほむらでさえも受け止められる桁違いの優しさや包容力があったからほむらも救われたが、そうなれないならば安易な優しさは却ってその人の為にならないし、自分のためにもならないのだ。まどかはほむらに死ぬよりもひどい結末を負わせてしまったわけだし。