Cyber Tera

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  • たけき者も遂にはほろびぬ

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130731_609830.html?ref=garank

 NECは、NECカシオモバイルコミュニケーションズが担当する携帯電話事業を見直し、スマートフォンの新規開発と生産を終了すると発表した。

 NECカシオは、7月31日付でスマートフォンの新規開発を終了する。現在販売中の機種をもって、生産と販売を終了し、スマートフォンについては事業から撤退する形になる。スマートフォンに関する保守は継続する。

 一方、フィーチャーフォンの開発と生産は継続するほか、NECが行っているタブレット事業も継続する。

 NECは発表の中で、同社の出荷台数が減少傾向にあり、競争力を維持・強化するためのスケールメリットが出せず、業績の改善を見通すことが難しいとしており、総合的に検討した結果、スマートフォン事業からの撤退を決定したとしている。

その昔、日本電気NEC)の携帯電話といえば国民機としてドコモ限定ではあるが広く世の中に普及していたものだ。かつての国民機が黒船の来襲によって落日する様はPC-98PC/AT互換機のそれを彷彿とさせ、結局NECは時代を繰り返してしまった。

敗因として考えられるのはこの2つ

  1. 差別化に失敗したこと
  2. NTTドコモ向けに偏執しすぎたこと

まず1。NECAndroid携帯はMEDIASというブランドで展開していたが、提供される「価値観」で明確に他社のAndroidとの違いを打ち出せていたかというと疑問。Smartphone is MEDIASというキャッチフレーズもかつての国民機時代を引きずっていることしか伝わってこない。

続いて2。NECの携帯事業は2010年にカシオ日立と合併しており、カシオブランドも保有している。カシオはかつてauにおいて高性能を売りにしており人気があった。統合した時期と前後して日本市場にもAndroid化の流れが訪れるが、カシオブランドによるau向けのAndroidはG'z oneシリーズのみの投入で、NECのブランドでもMEDIAS BRという女性向けと言う名の逃げに走ったような製品のみだった。
また、NECブランドとしては長らくソフトバンクモバイルJ-PHONEVodafone)にも参入してはいたが、ドコモ向けと比べると半周遅れの製品ばかりで売上も悪く、新製品の投入が無いままカタログ落ちし、撤退したかと思った頃にまた中途半端な製品を出すを繰り返していた。
といった風に他社向けは雑で、ドコモ向けに注力しては見たものの、かつての電電公社ファミリーという義理以外にさしてドコモがNECを売る理由も見当たらなかった。そして例のツートップ戦略によって贔屓も終わってしまう。
そして贔屓してもらえなかったことに呪詛の言葉を吐きつつ撤退に追い込まれた。
ドコモ向けに注力と言っても、そこで気合の入った製品で市場を牽引するというより、義理でなんとかしてもらおうとしていたのだから、遅かれ早かれ結果は同じだった。
ドコモは最大の市場だからと義理でなんとかしてもらう、そういった消極的理由だけでドコモに偏執したいたのだからではそれは失敗する。最大の市場であるドコモに一般製品で参入していない京セラにシェアで負けている時点で答えは見えているというものである。

とはいえ終わった事ばかり悔やんでも仕方ない。ガラケーはまだやるとのことなので、auに再参入してカシオのガラケーを出せば残存者利益に預かれるはず。カシオの神通力はauガラケーユーザーにはまだあるし、現行のガラケーはラインナップが一年前の京セラとパンテックしかない今新製品を出せば悪くない成果を挙げられる。