- 夢なき後の平凡な暮らし〜WX04Kまとめ〜
WILLCOM COREがWILLCOM COmunication Revolution & Evolutionの略だそうで、新技術による通信の質的な変容を目指していたとすれば、破綻後ソフトバンク傘下で設計されたWX04Kは言うなれば、夢追い人が堅気になったという物だ。
OSはandroid Ver2.3 なので各社の2012年夏モデルに比べれば見劣りする面はあるが、まだ4.x系に対応していないアプリもあまたある中ではむしろ利点とも取れる。2.3は2011年の夏モデルで広く使われており、使い尽くされた事も有ってか安定感が高い。
ワークメモリを1GB積んでいる事とCPUがデュアルコア、京セラのチューニングが上手い事も有ってかもたつきを感じる事がなく滑らかで快適な操作感。
PHSもSoftbank 3G電波も安定しており、Hybrid W-ZERO3(WS027SH)の様に今まで使えていた所で使えなくなったという事もない。私が灰鰤を評価出来ない最大の理由は通信が安定せず無線機としての性能が低い事。ちゃんと話せる、ちゃんと繋がるだけでも大幅な改善。遅いとされる3Gもバイパス帯のUltra Speed1.5Ghz帯を使えるからか、iPhone4Sより体感速度は速い。
後はSMSやソフトバンクまとめて支払いも使用でき、大手3社と同じサービスが受けられるというのも人によっては大きいかも。
難点を挙げれば
- データフォルダが少なくアプリを大量に入れられない(microSDに移せるアプリと移せないアプリがあるため、microSDを買い足せば同じという訳ではない)
- カメラの画質が悪い
- プラチナバンド900Mhzに非対応(現時点ではプラチナバンドによる劇的な改善は体感出来ないが、使わないの使えないのとは気分的な受け止め方が違う)
- 3.5mmステレオミニプラグに非対応
- 5GhzWi-fiに非対応
- 防水なのに充電にはキャップをあける必要がある事(卓上ホルダ対応を望む声が大きいが、個人的にはLGのキャップレス防水か、いっそqi対応を望みたかった)
カメラの性能以外は仕様表であらかじめ確認出来ることなので、スペック表にはない落とし穴的な所は特に見当たらない。飛び道具はないがようやく実用的に使えるandroidといった非常に手堅い作り。
だから堅気になった夢追い人なんだよ。面白みはなく輝ける未来もないが、生活水準が大幅に良くなったので今更昔には戻れないんだよ。Hybrid W-ZERO3のもっさり動作や弱電界ですぐに圏外になる上繋がっても遅いパケット通信にはもはや戻れなくなってしまうんだよね。あの頃はあれをどうにかいじって使えるようにする喜びを感じていたが、もう普通に使っていて真っ当に使える楽を知ってしまったらそんな工夫はしたくないんだよ。