Cyber Tera

ガジェット系・ウィルコム系ブロガー

ハイエナの敗北

f:id:mortal:20120323154820j:plain

 

一時期社長の過激な物言いでネットで話題を振りまいたエムグラントフードサービス。社長の井戸実氏は今後10年間は僕の独壇場とまで豪語していた*1が、この所失速気味だ。最盛期に200店舗を超えていたけんの店舗はいまや142店舗と150店舗*2を割り込む事態に陥っている。さらには他社のステーキレストランの「あさくま」にフランチャイズ加盟*3するという事実上の敗北宣言すらしている。「けん」と「あさくま」では「あさくま」はより客単価が高く、新たな市場を開拓できるとしているが、けんでも過去に高単価メニューの発売をしているので、敗北宣言と受け止められるのもやむなし。さらに今人気沸騰中の「いきなりステーキ」(ペッパーフードサービス系)にあやかった「鶴亀屋総本店」なる店を系列のふらんす亭で始める始末*4井戸実社長はかつて「けん」を真似た「ステーキガスト」(すかいらーく系)を批判していたが、今や彼が真似をする立場に落ちぶれた。

 

ではなぜ、ここまでエムグラントフードサービスは落ちぶれてしまったのだろうか。まず第一に、この会社が売りにしていたのは郊外型ファミリーレストランの居抜きを利用することで出店費用を最低限に抑えられる事だ。ならば、撤退したい不振店を抱えているファミリーレストランの運営企業が同種の業態を作り上げれば、撤退した後みすみす他社に売上を渡すこと無く自社で再建が出来る。そうなると物件を確保することが困難となる。加えてエムグラントはセントラルキッチンを持たないため、セントラルキッチンを持つ大手資本系に対してコスト面で不利だ。更に決定的なのは内装で、「けん」の内装は撤退前の内装をそのまま流用しているので小汚い店舗が多いが、大手資本系は内装を作りこんで来るため、家族連れが中心となる店舗ならやはりきれいな店が選べれてしまう。内装経費はセントラルキッチンで原価を抑えて帳消しにするといったところか。原価率が「けん」が40%、「ステーキガスト」が35%、「カウボーイ家族」(ロイヤルホストのロイヤル系)が38%といわれているから長期戦になれば「けん」が圧倒的に不利になる。

 

次に考えられるのはメニューをコロコロ変えたことではないか。元々けんステーキは成型肉に頼らず固めの肉をそのまま出しており、アメリカンスタイルなそのワイルドさが受けていた。それを途中からミスジ肉を使うことで柔らかく(と同時に値上げ)する。さらに原価が高く厳しかったのかミスジ肉をやめ、柔らか加工(成型肉)を使った物に変える。看板メニューをコロコロ替えてしまうことでお客さんが相当離れたはずだ。

 

長々書いたけれど、結論としては思いつきでふらふらと不誠実な事をやっていると、いつかは足を掬われるよということ。穴が見つかったら即効で責められるし人も離れていくものなのだ。

 

 

 

もぐらと黄金の卵

昨日の月曜から夜ふかしを観ていた。このブログで前回取り上げた株主優待で暮らす男、桐谷さんことこと桐谷広人氏が出演したいた。最近の彼は大阪のキディランドにグッズショップを持ったそうだ。きっとビッグダディこと林下清志氏もこういう商売したかったのだろう。名言集お菓子とか名台詞Tシャツ*1、もぐらキャラクターぬいぐるみとかで荒稼ぎできそうだ。しかし今となってはだれも乗ってはくれないだろう。

そこで思い出すのはイソップ童話にある「ガチョウと黄金の卵」。黄金の卵を産むがガチョウを手に入れた男は一気に金持ちになる。しかしそれだけで満足できなくなり、ガチョウの中にはさらなる黄金が入っているはずとガチョウの腹を捌くも、腹の中には何もなく、ガチョウが死んでしまったのでもう二度と黄金の卵も得られなくなったという話だ。

 

ビッグダディもまたテレビ朝日の番組から得られるギャラで満足していればよかったものを、さらなる欲に駆られて芸能人に転向。他局に出演することで一攫千金を狙うがバラエティ番組も一周してしまい出演はなく、唯一のレギュラー番組であるバイキングもこれといった存在感を示せず、さらに番組の存亡さえ不透明だ。

 

もし痛快ビッグダディの世界でのみ生きていれば番組本の出版やテレ朝ショップでグッズ販売もあっただろうし、大金まではいかなくても大家族が食うに困らない程度の収入は得られたはずだ。日本テレビ系の石田さんチが大騒ぎは17年も取材を受けており、それだけの長寿シリーズとして生き長らえることさえ出来たかもしれない。美奈子さんが気にいらないならまた子沢山の女性を探して「嫁を入れ替え」すればいいだけの話。

 

とここまで書いていて気がついたが、そもそもそこまで計画的に動けるような人間ならば、強欲クソオヤジがエゴを撒き散らす様を見世物小屋的に紹介する痛快ビッグダディという番組が成立しなかった。一人の男が自らの強欲によって破滅する様子を描いたドキュメンタリーでありるならば、我々が得られる教訓は、エゴを抑えて思いやりをもって生きていきましょうということだ。

 

反面教師これに極まれり。

*1:Tシャツは実際に痛快ビッグダディ劇中で売りに行く下りがあった

俺はそういう次元で生きていない人間だ

テレビ朝日素人三羽烏(川越シェフこと川越達也ビッグダディこと林下清志、林先生こと林修)のうち、テレ朝以外での活躍目覚ましい(テレ朝に見限られたともいう)ビッグダディこと林下清志氏。しかしながらその嫌われぶりも著しく、レギュラー番組のバイキングの視聴率もただ下がりだ。川越シェフのようにコラ素材として歪んだ愛情を注がれることもなく、林先生のように冠番組を貰えることもなかった。

ダディに逆風吹きすさぶなか、新たな大スター素人が日本テレビ系番組「月曜から夜ふかし」から送り込まれてきた。

 


『桐谷さんが教えるはじめての株主優待』桐谷広人さんライブトーク!! - YouTube

 

その男こそ、株主優待で生活する男こと桐谷広人氏だ。雑誌の連載を複数持ち、番組も彼が登場する回だけ視聴率が高騰するという。一見すると自分勝手にしか生きていない両名だが、この好感度の違いはどこにあるのだろうか。

 

まず第一に、ダディは奄美の住民、接骨院よこやまの横山先生、隠岐の島の青山さん、小豆島の住民、元々妻の佳美さん、痛快!ビッグダディの番組スタッフと数えきれない人たちに不義理をし、迷惑をかけ続けている。一方桐谷さんは殆ど一人で行動し、不義理を行っているようには見えない。

 

第二にビッグダディはこの国に蔓延る反知性主義の筆頭格とも言えるくらい、知性というものがまるで感じられない。トレードマークである頭に巻いたタオルは頭をつかうなというメッセージであると勘ぐりたくなる位んお無知蒙昧である。対する桐谷さんは元々棋士であるため知的水準は一般を大きく上回ると思われ、現在は投資家として生活ができている事から察しても頭脳明晰であることは間違いない。月曜から夜ふかしでラスベガスへ旅行に行く企画があったが、カジノに挑戦して最初は調子よく利益を上げ、負け始めたら即座に撤退して儲かったまま帰ってきた辺りも冷静な判断力の程が伺える。ダディなら負けがこんでも続けゼロかマイナスにならなければ止めなかっただろう。

 

そしてダディはいつも無愛想でブログに張っている写真は特に意味もなく相手を威嚇している。一方で桐谷さんは茶目っ気たっぷりに行動している。

 

不義理をしない、知性的、茶目っ気、この3つがダディと桐谷さんの運命の分かれ道になったのだ。

 

 

 

ドコよりも安い?WX12Kその2

 前回

差がつく、輝き 〜WX12Kシャンパンゴールド その1〜 - Cyber Tera

 

これまでウィルコムNTTドコモauLTEスマートフォンに移行する際に無料通話分を廃止した事に乗っかり、他社への電話が多い層に向けて2台持ちを訴求することでニッチ市場を押さえる作戦に出た。しかし同系のソフトバンクモバイルを含めた大手3社グループが一斉に多者通話定額を打ち出したことで一気に料金政策上の優位性が失われることとなる。2014年7月よりワイモバイルに社名変更して新たな門出を祝すにはやや不安な幕開けとなった。とりあえずは「ドコ(モ)より安い」とドコモより安いことを全面に押し出すようだ。

 

という前置きで前回より1ヶ月半も間を空けてしまった京セラ製ウィルコムPHS端末WX12Kレビュー第二弾をお送りしたい。

 

f:id:mortal:20140701221907j:plain

 

そのドコモから発売されていたガラケー、SH‐03Eとの比較。製造元はシャープと京セラなので違うがサイズ感は驚くほど似ている。開きやすさはSH‐03Eのほうが上。液晶面の角が落としてある為指を滑り込みやすい。WX12Kは液晶面・10キー面両方共角を落としていないので開きづらい。WX01Kでは10キー面の角が落としてあったので退化している。

 

f:id:mortal:20140701232522j:plain

 

キーはボタンの間隔が広いWX12Kの方が打ちやすい。相変わらずアプリキーの存在意義がわからないけど、今回はキーライト起動も兼ねているのであながち無意味でもなくなっている。字体はデジタル表記になっているSH-03Eの方が好みかな。

 

通話音質は、やはりWX12Kを推したい。元々のPHSの素性の良さに加え、スマートソニックレシーバーが予想外に良い。スピーカーの開口部に耳をぴったり合わせなくても聞こえるし、受話音量も大きくて聞き取りやすい。SH-03Eにはないスピーカーフォンも搭載されている。PHSの弱点とされている高速移動中の通話音質もWX01Kと同等の水準が維持されている。

 

コーデックや通信環境だけでなく送り側の性能が良くないと通話品質の良さと言うのは実現できない。その点WX12Kからは京セラ技術陣が持つ、PHSは高音質というブランドイメージを守ろうという矜持が伝わってくる。荒削りさも目立つが通話にこだわってガラケーを選ぶならまだまだウィルコムという選択肢を推したい。

差がつく、輝き 〜WX12Kシャンパンゴールド その1〜

前回書いたように、ウィルコム改めワイモバイルはAndroidを重視するとはいうけれど、現時点ではフィーチャーフォンがより売れており、今後そのハンドリングをどうするかという話で、まずは体制変更以前に企画された最後(になるかもしれない)のフィーチャーフを語る。IIRO(WX04S)が発売は後であるが、廉価版という位置づけであるため、プラットホームが刷新されたWX12Kを今回は取り上た。

 

f:id:mortal:20140511125716j:plain

なお、発売されたのが2013年末の為、少しでも新味を出すべく限定色のシャンパンゴールドにしてみた。シャンパンゴールドは一つ前の機種WX09Kでも限定色として発売されている*1ため、好評だった様子。一時期京セラのウィルコムPHSはメタリックカラーを増やしていた*2 *3だけに、さらなる個性的なカラーを期待したい。

 なお、ゴールドということでこちらと比較してみた。

 

f:id:mortal:20140511125842j:plain

 

 今や伝説となったHybrid W-ZERO3WS027SH)のプレミアムゴールドだ。光線の加減もあるが比べてみると灰鰤の方はゴールドというよりもシルバーに見える。

 

次回

ドコよりも安い?WX12Kその2 - Cyber Tera